あいとかなしみのいわしばくだん

鰯が安売りになっていたので沢山買ってきて、家で捌いてたんです。
包丁で頭を切り離して、手で内臓取って、水で洗う。血の匂いの中で、ああ、生きていたものの命を食べて生きさせてもらってるんだなあ、その分ちゃんと生きなきゃなあ、という感慨にふけりながらその作業に没頭していたのです。
で。
三角コーナーにたまたまネットをセットしていなかったので、元々捨てる予定だったプラスチック容器のフタの上に取り敢えずそれらをのせていたんです。そしてそのフタはその辺にあったコーヒーの瓶の上に置いていたんです(上図参照)。
1匹目は、ど真ん中に。2匹目も、それ以降も暫くは、真ん中らへんに。ぼんやりと作業を進める内に、自分がいかに不安定なところに置いているかとかいう意識は消えていきまして。数匹目に、ふと端っこに置いてしまったんですね。
いやあ、何度思い返しても恐ろしい光景でした。
バランスを欠いたその瞬間、てこの原理で、何匹分もの鰯の頭部と内臓が血まみれの状態で、私めがけてものすごい勢いで飛び掛ってくるわけです、その衝撃といったら。
その後、にんにくやトマト缶と一緒に煮て、おいしかったんですけどね…。
いやー…。あー…。明日からまたがんばって生きるー。